Google Store 表参道 | 空間デザインの舞台裏を巡る

Google Store 表参道の歩き方——空間デザインの舞台裏を巡る

にぎわう表参道に現れた、木の格子のやわらかな灯り。米国外初の旗艦店「Google Store 表参道」の空間デザイン、その舞台裏を紹介します。

公開日 2026 年 9 月 30 日

1 階の売り場全景。壁面の棚にスマホやアクセサリーが並び、中央には展示台と、天井から吊るされた木がある。スタッフがカウンターで接客し、複数の来店者が製品を見ている。
1 階の売り場全景。壁面の棚にスマホやアクセサリーが並び、中央には展示台と、天井から吊るされた木がある。スタッフがカウンターで接客し、複数の来店者が製品を見ている。
この記事のポイント
  1. Google Store 表参道の外観は、日本の提灯に着想を得た「視線の休息」がコンセプトです。
  2. 左官仕上げの壁、既存の構造を生かした総無垢材の階段など、店内は細部まで「素材への誠実さ」を貫いています。
  3. 最新の AI を体感できるブースも設置しています。
提灯のようにやわらかく光る外観、既存の骨組みを生かした無垢材の階段、製品の「端材」から生まれたアート作品——Google Store 表参道の空間には、細部のひとつひとつに理由があります。店舗の順路に沿って、デザインの舞台裏をたどっていきましょう。
にぎわう表参道に、「視線の休息」を
Google Store 表参道の外観で、まず気づくのは、その静けさかもしれません。デザインチームが掲げたコンセプトは「視線の休息」です。エネルギーと情報にあふれる表参道だからこそ、歩く人がふっとひと息つける瞬間を届けたい。そんな考えから生まれました。
通りに面した Google Store 表参道の外観。上部は木の縦格子で覆われ、「Google Store」のロゴが掲げられている。

建物を包むのは、木の縦格子。日が落ちると表情を変えます。格子の間からやわらかな灯りがこぼれ、ゆっくりと明るさを変えながら、建物全体がほのかに光る。着想の源は、灯りのともった日本の提灯です。障子や和紙越しに漏れる、あの温かな光をイメージしています。

実はこの木材の格子は、世界の Google Store に共通するデザインコンセプトです。原点は、編み籠に着想を得た米国イリノイ州の店舗。その考え方を、店舗を構える街に合わせてアレンジしながら受け継いできた結果が、ここ表参道における日本の灯り文化へとつながっています。

店内にも、表参道店ならではの翻訳があります。他の店舗で木が使われるのは、主に床。表参道では、この空間の大きさや雰囲気に合わせてその定位置を入れ替え、床はコンクリートの質感に、木は天井にあしらいました。頭上の木が、空間全体に温かみを届けています。

こうした東京ならではの調整の背景には、設計にあたってデザインチームが東京の店々を巡り歩いた経験があります。心を動かされたのは、あえて作り込みすぎない、それでいて細部まで行き届いた空間の「ラフさ」。その空気感にすっとなじむよう、表参道の店は、この街に合わせて表現を変えているのです。

それでも変わらないものがあります。Google のプロダクトデザインに息づく「human(人間的)」「optimistic(楽観的)」「daring(大胆)」という 3 つの合言葉です。一見すると控えめ、でもよく見ると随所に遊び心が潜んでいる。Google Pixel に込めた思想が、この店舗では建築のスケールで表現されています。

1 階:製品の色が主役の、落ち着いた空間
1 階の売り場全景。壁面の棚にスマホやアクセサリーが並び、中央には展示台と、天井から吊るされた木がある。スタッフがカウンターで接客し、複数の来店者が製品を見ている。

扉を開けた先に広がる 1 階では、スマートフォンをはじめ、スマートウォッチ、スマートホームデバイスなど最新の製品を手に取って試せます。壁や床はあえて抑えたトーンでまとめられ、その中で製品の色彩が主役として浮かび上がる空間です。

Google のデザインチームが大切にする哲学の 1 つに「素材への誠実さ」があります。人の手が触れる場所には、本物の素材を使うという考え方です。質感を残した左官仕上げの壁、無垢材のテーブルや什器。展示台に手を置いたとき、木のぬくもりが返ってくる。その小さな体験の積み重ねが、この店舗の居心地をつくっています。

またフロア中央では、Google のデザイナーたちが自ら考案し、手作りしたインスタレーションが迎えてくれます。Google の本社があるカリフォルニアの自然に着想を得たカラーパレットを通じて、Google のデザインの原点を体感できます。砂丘やコケ、オリーブの木が表しているのは、最新の Google Pixel 11 シリーズで採用したカラーのインスピレーション源。店頭に並ぶ製品の色と連動した展示です。

花をつけた木が天井から吊り下がり、その下に黒い岩、砂、コケを敷いた円柱形の展示台が 3 つ並んでいる。それぞれの上に Google Pixel シリーズの製品が置かれている。
「California Dreaming—Landscape of Colors」(カリフォルニアの夢——色彩の風景)と名付けたインスタレーション
また、製品開発の過程で生まれた繊維素材を、デザイナーがハンドクラフトで 1 点ずつ仕上げた」も、このフロアで取り扱っています。
「Recrafted by Google Pixel」のチャーム。ピンク、赤、青、緑、グレーなど、織り目のある帯状の素材を結んだりリボン状にまとめたりした、それぞれ形の異なる 11 点が並んでいる。
Google Pixel シリーズ製品の製造過程で生まれた端材を利用した「Recrafted by Google Pixel」
3 フロアをつなぐ階段に宿るサステナビリティ

Google Store 表参道は、地下 1 階から 2 階までの 3 フロア構成です。フロアをつなぐ階段には、実は建物にもともとあった構造が、骨格としてそのまま生かされています。背景にあるのは、「すでにあるものを生かすことは、壊して新しくつくるよりも、常にサステナブルである」という設計哲学です。

もともとの構造に合わせた結果、手すりは、まっすぐな線だけでは描けない、うねるような形になりました。その形に沿って無垢の木をいくつものパーツに分けてつなぎ、つなぎ目を感じさせない、ひとつづきの手すりに仕上げています。

この店舗のサステナビリティは、目に見える意匠だけにとどまりません。照明や空調はタイマーで制御され、消し忘れや無駄な稼働が起きない仕組みに。ウィンドウのデジタル表示は昼の光に合わせて明るさを変え、夜は必要以上に光りません。

こうした配慮は、店舗の裏側にも及んでいます。スタッフのための空間も、設計の初期段階から店舗運営チームが加わって、働く人が心地よく過ごせるよう検討しました。バックヤードにゆとりのある休憩スペースを確保しているのも、その一例です。売り場の表から裏まで、等しく丁寧に。それが、この店舗が考えるサステナビリティです。

2 階:AI がお土産になる「Pixel Studio」
2 階は、フロア全体が Google の AI を体験できる遊び場になっています。立ち並ぶ複数のブースでは、最先端の AI を難しい説明抜きで体感できます。
2 階のブースで、120 倍のズームを体験している様子。
2 階のブースで、120 倍のズームを体験している様子。
Google Pixel スマホの「最大 120 倍」のズーム性能を擬似体験できる
2 階のブースで、Google の画像生成モデルを体験している様子。画面にはそれぞれ異なる衣装のイラスト風アバターが表示され、来場者はそれをスマホで撮影している。
2 階のブースで、Google の画像生成モデルを体験している様子。画面にはそれぞれ異なる衣装のイラスト風アバターが表示され、来場者はそれをスマホで撮影している。
Google の画像や動画生成モデルで作品づくりを楽しめる
うれしいのは、体験がそのまま、お土産になること。生成したアバターは世界に 1 つの記念カードとして持ち帰れて、フォトブースの作品もプリントできます。
木製の棚に並ぶ Google の公式グッズ。トートバッグ、タンブラー、マグカップ、文具、豆皿などが陳列されている。
Google の公式グッズも取り扱っている。日本文化を感じさせるテーブルウェアやトートバッグなど表参道店限定のグッズも。
地下 1 階:静かな空間で存在感を放つ、寺山紀彦さんのアート作品
地下 1 階のサポートフロア。右手のカウンターの上に「Here to help」のサインが光り、スタッフが来店者に対応している。

階段を降りた地下 1 階は、Google 製品のサポートのためのフロアです。初期設定やデータ移行、使い方の対面サポートから、スマホやスマートウォッチの店頭修理まで、さまざまな相談に応じます。上の階のにぎやかさから一転、落ち着いた空間です。

その静けさに包まれたフロアの中で目を引くのが、

。Google 製品の生産過程で生まれた端材の布を、ワイヤーに一巻きずつ巻きつけてかたちづくった、有機的なフォルムの立体です。

淡い色のバンド状の素材をワイヤーに巻きつけてつくられた寺山紀彦さんの立体作品。
正面に吊るされた立体作品。端材を、ワイヤーに一巻きずつ巻きつけて制作されている。

視線を壁に移すと、デバイス内部のリサイクル素材や、修理しやすさを考えた設計、プラスチックを使わない梱包材など、Google のサステナビリティへの取り組みを伝えるパネルがずらりと並んでいます。そして、その並びには、寺山さんのもう 1 つの作品も。スマホに使われるガラスや金属、スマートウォッチのバンドの布など、約 30 種類の素材を整然と並べたその作品は、展示の列に静かに溶け込みながら、ひときわ豊かな表情を見せています。

壁面は、フロア全体を 1 つのギャラリーのように見せています。

木製の壁面に、ガラス、金属片、繊維など 30 種類以上の素材が 5 列に整然と並べられた寺山紀彦さんの作品。
約 30 種類の素材を並べた寺山さんの作品
ひとつの製品を、直しながら長く使い続けること。それ自体が、このフロアが伝えるサステナビリティの実践です。修理やサポートを待つ間に、壁の展示や作品に目を向けてみてください。
次は、Google Store 表参道で確かめに
表参道を歩いていて、ふと静かな木の格子が目に入ったら、それが Google のお店です。壁や階段の手すりに、そっと触れてみてください。Google が製品に込めてきた哲学が、空間のすみずみに息づいています。

<店舗情報>

  • 所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-30-3 東急プラザ表参道「オモカド」
  • 営業時間:10 時 〜 20 時
  • 詳細は をご確認ください。
Google Store 内のイベントスペースでは、製品を使いこなすためのワークショップやイベントも定期的に開催予定です。最新情報は公式ページで発信されています。
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