近くでも遠くでも、鮮明で生き生きとした写真が撮れる秘密は……
なぜ、そんな写真が撮れるのでしょうか。レンズやセンサーといったハードウェア性能の向上もありますが、それだけではありません。最大の要因は、Google Pixel 6 以降のスマートフォンがハードウェアと機械学習テクノロジーを組み合わせた AI カメラを搭載しているからです。
AI カメラでは、プロ向けカメラでしか撮れなかったような写真が撮れるようになります。また、これまで編集用ソフトを使わなければできなかった機能も備えています。たとえば Pixel の AI カメラでは、暗い場所でも鮮明な写真が撮影できたり、画像から不要な部分を消せたり、子どもが撮影中にジャンプし始めた際にも顔のブレを取り除いたりできます。
Google Pixel 6 以降のモデルでは Google 独自のプロセッサである「Google Tensor」によってカメラ機能を強化しています。カメラが複雑な AI タスクを実行できるようになったのです。その結果、新しいツールや複雑なツールの使い方を習得せずに、すばらしい写真を撮影できるスマートフォンが誕生しました。しかも、プロ仕様のカメラよりはるかに低価格です。
カリフォルニア大学バークレー校にて、コンピュテーショナルフォトグラフィー(AI カメラの画像キャプチャ技術や処理技術)を教えているアレクセイ・エフロス教授は、「初期のカメラ付き携帯電話では、レンズなど光学部分の精度を高めることだけに注力していました」と話します。「より優れた大きなレンズをどのように搭載するかといったようなことです。そのため当時の携帯電話のカメラは、物理的な光学機器の制約が大きかったのです」とエフロス教授。現在、良い写真を撮るための改善は「すべてスマートフォンのソフトウェアが実行しています」と述べています。
つまるところ、AI カメラとは、これまでプロ向けのようなハイエンドカメラでしか撮影できなかった写真を特殊なソフトウェアの処理で実現するものです。たとえば「オプティカルフロー」というテクノロジーでは、十数枚の写真を連続撮影し、AI 処理でそれらの写真を解析し、手ブレのない 1 枚の画像へと合成します。
Google Pixel の夜景モードは、この「オプティカルフロー」によって支えられています。そのため、非常に暗い場所で撮影した写真も明るく鮮明に、ディテールまで再現できます。これまで同等の写真を撮影するにはプロ仕様のカメラと三脚、そしてかなりの撮影ノウハウが必要でした。
また Pixel が搭載する AI は、コントラストが高い状況で写真撮影する際に課題となる露出も自動で修正します。通常は影があると画像の一部が暗くなり、明るい光があると別の部分が色あせて見えますが、AI が複数の画像を処理することで、影で失われるビジュアルのディテールを認識し、明るい部分の露出を抑えられます。
「こうした機能がすべて一般的なスマートフォンユーザーにも広がっています」と、エフロス教授は話します。「誰もがクリエイターになれるのです」
賢い露出調整:前景、被写体、背景など、画像のさまざまな部分における光のレベルの違いを自動的に判断し、それぞれに適切な露出を設定します。
顔フォーカス:Google Pixel 6 以降のカメラシステムは、Google Tensor の強力な処理能力と高度な機械学習で顔のブレを取り除きます。多少動いたからといって写真が台無しになることはありません1。
リアルトーン:肌の色によっては色あせて写ってしまったり、暗い場所では見えにくく写ってしまったりすることがあります。リアルトーンを利用すれば、AI を駆使してカラーバランスと照明を調整。すべての人をより正確に映し出すため、より自然な色味で撮影できます。
夜景モード:極端に暗い場所でも鮮明さを損なうことなく、夜空をくっきりと撮影できます。
モーション モード:Google Pixel の AI が適切なぼかしを加え、目の前のシーンをエネルギッシュに写し出してくれます。動きのある被写体をシャープに、背景にはぼかしの入ったアクションショットが撮影できます。また、滝や車の動きを美しくぼかす、従来の長時間露光をシミュレーションすることも可能です。
消しゴムマジック:数回タップするだけで、画像内の不要な部分をほぼすべて削除できます。削除した部分の色と明るさは背景に合わせて自動調整。違和感なく溶け込ませることも可能で無編集の画像と思うほどの仕上がりです2。
エフロス教授によると、「仲間のプロフォトグラファーたちの中でも、プロ仕様の一眼レフで撮った写真より最新のスマートフォンで撮影した写真の方が良いという声が多くある」とのこと。「AI はアーティストに向けて、より多くの優れたツールを提供してくれます」とエフロス教授は述べています。
アマチュアフォトグラファーや、家族写真を撮る両親、SNS での写真共有など、アーティスト以外のあらゆる人たちにとっても、AI カメラは状況に関係なく写真を劇的に改善してくれることでしょう。
*米 Google ストアでが公開した記事を日本語に翻訳しました。
表情を鮮明に写す機能は、顔が写っている写真や動画でも作動しない場合があります。
画像要素によっては消しゴムマジックが機能しない場合があります。