*本記事は、米 Google の The Keyword ブログの記事を日本向けに翻訳、編集したものです
2024 年 9 月に発売した
折りたたんだ状態の Google Pixel 9 Pro Fold は、初代より 1.5 mm 薄く、例えば Google Pixel 9 よりもわずか 2 mm 厚いだけです。また開いた状態での厚みは 5.1 mm と、初代よりも 0.7 mm 薄型に1。これは大半のタブレット以上の薄さです。実際、日本や米国で販売している折りたたみ式スマホで最も薄く2、かつスマホとしては最大級のディスプレイ3を備えています。
Google Pixel スマホの​プロダクトマネージャーである​ジョージ ファンは​「2 世代目を​もっと​薄く​する​必要が​ある​ことは​わかっていました」と​話します。​「ただ、​どれだけ​薄くできるかは​未知数でしたし、​その​薄さを​実現する​ため何を​すべきかも​わかりませんでした」と​ファン。​この​記事では、​チームが​いかに​して​ Google Pixel 9 Pro Fold の​薄型化と、​同時に​ディスプレイや​カメラなどの​進化を​実現したのか、​その​過程を​紹介します。
製品デザインを​担当した​クロード ゼルウェガーに​よると、​新しい​デザインへと​チームを​導いた​きっかけの​ 1 つは、​初代の​ Google Pixel Fold に​対する​ユーザーの​反応でした。​「多くの​人が​折りたたんだ​状態で​使っていたのです」と​ゼルウェガーは​話します。​折りたたみスマホと​いう​新しい​形状に​興味を​持ち、​タブレットのような​体験を​付加価値と​して​求める​一方で、​折りたたみスマホを​通常の​スマホのようにも​使いたいと​いう​ニーズが​ありました。​「そこで、​『デザインする​上では、​まず​これを​スマホと​して​作る​必要が​ある』と​いう​考えに​至りました」と​ゼルウェガー。​「チームの​モットーは​『スマホファースト』に​なったのです」。
目標は、​折りたたみ式でありながら、​通常の​スマホと​同じような​操作性や​見た目、​動作を​実現し、​その​上で​さらなる​機能を​提供する​ことです。​プロダクトマネージャーの​ジョン プロウスも​「まずは​優れた​スマホを​作らなくては​なりません。​それが​できて​初めて、​優れた​折りたたみスマホが​作れるのです」と​話します。
とは​いえ、​「スマホファースト」とは​一体​何を​意味するのでしょうか。​これには​多くの​意味が​あります。
例えば​ Google Pixel 9 Pro Fold の​ディスプレイの​アスペクト比​(縦横比)は、​Google Pixel 9 Pro と​同じ​ 20 : 9 です。​また​プレミアム感の​ある​仕上げも​同じで、​前世代よりも​ベゼルが​薄くなった​点も​同じです。​これら​すべてを​組み合わせる​ことで、​Google Pixel 9 シリーズの​他機種に​より​近づけ、​最終的には​目にも​手にも​なじみやすい​製品に​なりました。​閉じた​状態での​ウェブブラウジングや​メッセージの​やり取りなどは、​初代の​ Google Pixel Fold よりも​折りたたみ式ではない​ Google Pixel 9 / 9 Pro などに​近い​操作性を​実現しました。
もちろん、薄型化で Google Pixel 9 のサイズに近づいたことも「スマホファースト」を担う重要な要素です。特に、薄型化を実現したにもかかわらず、タブレットのような 8 インチの大型ディスプレイ4を搭載できたことは、今回のアップグレードの目玉の 1 つです。
「より​薄く​するには​新しい​ヒンジが​必要でした」と​ファンは​話します。​そこで​考案したのが、​航空宇宙産業でも​使われる​ほどの​高強度アルミニウム合金で​覆われた​多相合金スチールを​用いた​ヒンジの​デザインです。​この​ヒンジは、​パタンと​閉まるだけでなく、​完全に​平らに​なるまで​開いた​ときにも​カチッと​いう​心地よい​音が​します。​新しい​ヒンジは​初代より​耐久性も​向上していますが、​初代で​好評だった​特徴も​一部​備えています。​「例えば、​ヒンジの​トルク、​つまり​可動域全体の​感触は、​Google Pixel Fold から​引き継いだものです」。
前回と​同様、​チームでは​開閉時に​心地よさを​感じられるさまざまな​アイテムを​研究し、​調査しました。​ゼルウェガーに​よると、​これは​一種の​サブリミナル効果を​もたらすものですが、​ユーザーが​喜びを​感じる​部分なので、​チームと​しても​注力する​価値が​あったと​いいます。​アップグレードした​流体摩擦ヒンジと​最適化した​磁石に​よって、​スマホを​パタンと​閉じる​ときに​ちょうど​良い​感触が​得られるようになりました。
高性能な撮影機能を備えた薄型スマホの開発には課題もあります。カメラ技術には多くのスペースが必要となるためです。「この設計にあたってさらなる薄型化を検討する中で、カメラバーを完全に再設計し、カスタマイズされた光学モジュールを搭載することになりました」とプロウスは説明します。最終的に、超広角カメラと 2 つの前面カメラを進化させ、より新しく高性能な光学モジュールに収めることができました。その狙いは、カメラ性能に対するユーザーからの高い期待に確実に応えることです。Google Pixel 9 Pro Fold のハードウェアに関するさまざまな進化により、動画ブーストやプロ設定といったプロレベルのカメラツールを搭載。これにより、Google Pixel 9 Pro Fold は折りたたみスマホとして最高レベルのカメラ機能5を備えることになりました。
新しい​二段構造の​カメラバーは​左上隅に​配置し、​薄型化を​実現。​背面を​下に​して​置いた​ときにも​表面が​より​均等に​なりました。​また​この​変更に​より、​エンジニアは​より​大きな​バッテリーを​搭載できるようにも​なりました。
カメラと​ヒンジの​変更に​よって​ Google Pixel 9 Pro Fold は​薄型に​なりましたが、​他にも​多くの​微調整が​ミリ単位での​厚み削減に​貢献しています。​例えば、​カスタム薄型触覚ドライバーの​採用です。​「これに​よって​実際に​触覚が​より​顕著に​感じられ、​心地よい​操作感を​実現しています」と​ファンは​話します。​USB-C ポートも、​初代よりも​小型の​カスタムバージョンとなり、​スピーカーも​すべて​新しくなりました。​さらに、​薄型デバイスの​熱制限に​対応する​ため、​まったく​新しい​蒸気チャンバーと​グラファイト熱拡散材を​使って​熱アーキテクチャを​再設計しました。
ファン、​ゼルウェガー、​プロウスの​ 3 人は、​スマホの​薄型化に​貢献した​一見些細な​微調整に​ついて、​ほかにも​延々と​話し続けることができるでしょう。​こうした​地味な​変更が、​非常に​重要な​ものだったのです。​「製品の​構造を​大胆に​変更するには、​スマホの​すべての​部分、​つまり​モジュールの​ 1 つ​ひとつが​重要だと​いう​ことが、​開発工程を​通じて​よく​わかります」と​プロウス。​「多くの​段階的な​変更が、​最終的な​大きな​進化に​つながったのです」。
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サイズと​重量は、​構成および製造工程に​よって​異なります。
日本、​米国に​おける​他の​折りたたみ式スマートフォンとの​比較。​測定値に​カメラバンプは​含まれません。
Google Pixel 9 Pro Fold が​販売されている​市場に​おける​他の​折りたたみ式スマートフォンとの​比較。​インナー ディスプレイの​サイズに​基づきます。
ディスプレイは​角に​丸みが​あります。​長方形と​して​対角線を​測定した​ときの​外側ディスプレイの​サイズは​ 6.3 インチ、​内側ディスプレイの​サイズは​ 8 インチです。​実際の​表示可能領域は​それより​小さくなります。​サイズは​構成および製造工程に​よって​異なる​場合が​あります。
主要な​スマートフォン ブランドを​比較した​第三者の​評価に​基づきます。