Google Pixel 10 Pro Fold の​新しい​「ギアレス ヒンジ」が​生まれた​背景
*本記事は、米 Google の The Keyword ブログの記事を日本向けに翻訳、編集したものです。
2025 年 12 月 9 日
「どれだけ​大きな​進化を​目指すか、​決断が​必要でした。​安全な​道と、​より​攻めた​道が​ありました」と、​Google Pixel スマートフォンの​開発に​携わる​デザイナー、​サンスー パークは​語ります。
Google Pixel 10 Pro Fold は、​Google Pixel の​折りたたみスマホの​第 3 世代に​当たります。​第 1 世代から​第 2 世代への​アップデートに​かけて​飛躍的な​進化を​遂げただけに、​開発チームと​しては​第 3 世代の​進化の​方向性に​ついて​頭を​悩ませていました。​「前回は​エンジニアリング面で​大きな​進歩を​遂げたので、​今回は​基本性能と​カメラを​アップデートし、​カラーを​刷新するだけでも​十分だったのかもしれません」と、​Google Pixel の​工業デザインチームを​率いる​クロード ゼルヴェガーも​同意します。
しかし、​開発チームは​それ以上の​進化を​目指しました。​「もし、​私たちが​本当に​技術力を​押し上げられるなら、​やるべきだと​感じました」と​話すゼルヴェガー。​こうして​彼が​「攻めた​品質」と​表現する​ Google Pixel 10 Pro Fold が​誕生し、​より​高性能な​カメラなど、​さまざまな​面で​進化しました。​新型の​折りたたみ式 Google Pixel スマホの​構造の​多くを​可能に​した​最新の​ギアレス ヒンジも​その​進化の​ 1 つです。
「最大の​変更点は、​私たちが​ギアレス ヒンジと​呼ぶ​ものです。​文字通り、​ギア、​つまり​歯車が​まったく​使われていません」と​パークは​語り、​ギアレス ヒンジの​採用に​ついて​説明します。
「チームがこの新しいデザインに関心を持ったのは、ギアの経年劣化がヒンジに問題を起こす可能性があるためです。ギアは、時間が経つと摩耗したり小さなゴミが詰まったりして、折りたたみ式デバイスにとって重要な開閉時の基本的な操作性が損なわれる可能性があります。ギアレス ヒンジなら、より信頼性が高く、長期間にわたってスムーズに動作し続けます1」
ギアレス ヒンジの​開発に​あたっては、​工業デザイン、​先進構造設計、​製品デザインと​いった​チームが​一丸と​なって​取り組みました。​一般的な​ヒンジは​ 4 つの​歯車を​備え、​開閉時には​デバイスの​両側が​対称的に​回転するようになっています。​それが​ギアレス ヒンジでは、​回転運動を​直線運動に​変換する​カムと​呼ばれる​機械部品を​使って、​この​対称的な​動きを​維持します。​カムを​採用した​ことで、​省スペース化も​実現しています。
しかし​これは、​技術的な​挑戦でした。​「歯車を​使うなら​機構は​単純です。​しかし​歯車を​使わずに、​カムを​利用した​機構へ​移行する​ことは​単純では​ありませんでした。​そこで​左右それぞれに​バネ仕掛けの​カムを​使えば、​ギアの​代わりに​なるのではと​考えました」と、​新しい​折りたたみ式スマホの​構造設計を​担当した​ヨンホ リムは​説明します。
「ヒンジを​介して​カムを​接続する​ことで、​片側を​開こうと​すれば、​もう​片側も​連動して​開くようになります。​最初の​プロトタイプを​作り、​両側が​完全に​同期して​開いた​とき、​正しい​道を​進んでいると​確信しました」
さらに​重要なのは、​落下試験にも​耐え抜いた​ことです。​「私は​長年​この​分野で​働いていて、​落下試験は​何千回と​見てきましたが、​今でも​新デザインの​デバイスを​初めて​落下試験する​ときには​息を​止めてしまいます」と​リムは​言います。
新しい​ヒンジは​落下試験に​耐え、​チームは​製品を​可能な​限り​薄く​保つことができました。​また、​スマホの​内部構造を​完全に​再構築した​ことで、​パークの​言葉を​借りれば、​デザイナーたちは​さらに​もう​少し​「攻める」ことができるようになりました。
まず、ディスプレイをヒンジの端まで拡張できるようになったため、画面の縁を大幅に縮小できました。実際、Google Pixel 10 Pro Fold は Google Pixel シリーズの折りたたみ式スマホとして、これまでで最大の 8 インチディスプレイを搭載し、外部ディスプレイも 6.4 インチとなっています2。これは、ヒンジのギアを取り除いたことなどでベゼル(額縁)が縮小した結果です。
新しい構造により、ユーザーが重視する別の要素も最大限に引き出すことができました。「ユーザーからの一番の要望は、常にバッテリー性能の向上です。新しい内部構造のおかげで、より大きく、より優れたバッテリーを搭載するスペースが確保できました。Google Pixel 10 Pro Fold は Google Pixel シリーズの折りたたみ式デバイスでは最大のバッテリー容量を実現し3、駆動時間は 30 時間以上です4」とパークは語ります。
ギアレス ヒンジの見た目も考慮する必要がありました。Google Pixel の色、素材、仕上げ(Color, Material, Finishing, CMF)を担当するデザイナーのブライアン カッターは「ヒンジについて議論すると、いつも素材変更の話題が尽きません」と言います。
カッターは​「私たちが​毎年やりたいと​考える​重要な​ことの​ 1​ つが、​ヒンジを​光沢仕上げに​しておく​ことです。​もしマット仕上げだと​周囲に​溶け込んでしまうだけですが、​光沢仕上げに​する​ことで​スマホの​質感が​高まり、​他の​ Google Pixel Pro シリーズとの​調和が​保てます」と​話しています。
カッターの​チームは​さまざまな​素材を​検討した​結果、​スマホ本体と​同じ​アルミニウムを​採用する​ことにしました。​これに​より、​色を​うまく​合わせる​ことができ、​美しい​光沢仕上げを​実現しました。
もう​ 1​ つ、​外観上で​アップグレードした​点は、​ダイヤモンドカットの​面取り​(エッジ)と​メタリック仕上げです。​この​デザインは、​高級ジュエリーや​時計を​思い起こさせる​もので、​他の​ Google Pixel 10 Pro シリーズにも​共通しています。​これこそが​まさに​アイデアの​核心で、​パークは​「デバイスを​手に​取った​時、​Google Pixel Pro シリーズの​普通の​スマホを​持っているように​感じるでしょう」と​述べています。
これを​実現するには、​デザイン チームと​エンジニアリング チームで​重量と​サイズを​調整する​必要が​ありました。​その​実験を​可能に​したのが​ギアレス ヒンジです。​チームは​ 3D プリントや​機械加工で​ブロックモデルを​作成して、​ヒンジを​さまざまな​角度で​試し、​回転させる​力を​調整して​最適な​仕上げを​目指しました。
開発の​結果、​「外観も​手触りも、​慣れ親しんだ​スマホと​同じように​感じられる​サイズに​なりました」と​ゼルヴェガーは​説明します。​ギアレス ヒンジは​本体からの​突起が​少ないため、​手に​した​際の​握り心地や​感触が​良く、​持ちやすくなっています。​Google Pixel 10 Pro Fold は​開閉が​滑らかでありつつ、​パークと​ゼルヴェガーが​言う​「信頼感を​抱かせる」作りで、​頑丈さを​感じられます。
Google Pixel 10 Pro Fold は、外観や手触り以外にも、重要な点で Google Pixel Pro シリーズのスマホに匹敵します。マグネット式ワイヤレス充電の
また、折りたたみスマホとしては初めて
ギアレス ヒンジは、​より​大きな​ディスプレイとより​優れた​バッテリー、​そして​なじみ深くも​象徴的な​外観と​手触りを​ Google Pixel 10 Pro Fold に​実現する​上で、​不可欠な​役割を​果たしました。​ゼルヴェガーは​「現代の​人々の​生活に​フィットする​スマホを​作りたかったのです。​加えて、​さらに​多くの​価値を​提供したかったのです」と​語っています。
量産前デバイスを​使用した​内部テストに​基づきます。
ディスプレイは​角に​丸みが​あります。​長方形と​して​対角線を​測定した​ときの​外側ディスプレイの​サイズは​ 6.4 インチ​(162 mm)、​内側ディスプレイの​サイズは​ 8 インチ​(204 mm)です。​実際の​表示可能領域は​それより​小さくなります。​サイズは​構成および製造工程に​よって​異なる​場合が​あります。
バッテリー テストと​予想される​動作に​基づいて​概算された​一般的な​容量です。
バッテリー駆動時間はさまざまな要因によって変動し、特定の機能を使用すると短くなります。実際のバッテリー駆動時間はこれより短くなる可能性があります。バッテリーは寿命が長く持続するよう、そのパフォーマンスは Google Pixel のソフトウェアにより継続的に管理されます。詳しくは、
g.co/pixel/battery-tests およびg.co/pixel/batteryhealth をご覧ください。Google Pixel 10 Pro Fold を最大 15 W で充電できます。詳しくは、
g.co/pixel/pixelsnap をご覧ください。スマートフォンは工場出荷時点で IEC 規格 60529 の IP68 の防水および防塵性能に準拠するように設計されていますが、完全な防水、防塵ではありません。アクセサリは防水、防塵ではありません。防水および防塵性能は永久的には持続せず、時間の経過に伴って、通常の使用による劣化や、スマートフォンの修理、分解、損傷によって低下または消失します。スマートフォンの耐落下性能は完全なものではありません。スマートフォンを落下させると、防水、防塵性能が失われる場合があります。落下、その他の外的な衝撃による損傷は保証の対象外となります。液体による損傷の場合、保証が無効になります。詳しくは、
g.co/pixel/water をご覧ください。